☆銀行株,２年ぶりの大巾上昇へ！

　　　バブルを終焉させた大蔵省・日銀の経済政策は，
　　まことにすさまじいものでした．
　　　北海道のメインバンク，あの！北海道拓殖銀行が
　　アッという間に消滅し，私の郷里でも，栃木県一の
　　優良企業・足利銀行が倒産させられました．これは
　　まさしく過剰殺人(オーバーキル)的な政策の結果で
　　した．
　　　旧長銀などは，数兆円規模の国税が注ぎこまれ
　　助かるか?と思った矢先，数十億円で外資に売られ
　　てしまいました．これなどは，オーバーキルという
　　よりは，亡国的！ と言ったほうがいいでしょう．
　
　　　外資と国家権力(竹中平蔵)が組んだ「銀行弾圧｣
　　という未曾有の極限的な逆境のなかで，日本の銀行
　　は厳しく自己を鍛錬し，変革してきました．
　　　三井住友銀行．名前からして，犬と猿を結婚させ
　　るというような失敗必至の合併でしたが，結果は，
　　連結で軽く１兆円の経常益を稼ぎ出す世界に通用
　　するメガバンクに生まれ変わりました．
　
　　　２００５年７月．東京マーケットは，長く暗い
　　トンネルを抜けて上昇軌道に入りました．
　　　このとき，真っ先に評価された業種は銀行でした．
　　　わずか半年の間に株価が２倍以上になった銀行
　　が続出しました．千葉興銀や関東つくば銀のように
　　株価４倍！という驚異的なパフォーマンスを現出さ
　　せたバンクもありました(笑)
　　
　　　いま，銀行株は驚異的な株価上昇の後の調整期に
　　あります．
　　　鉄・船・資源株等のオールド・カンパニーに人気
　　が集中している間，次の上昇エネルギーを蓄積しな
　　がら休養しています．これはチャートを見ても一目
　　瞭然です．
　
　　　ところで…，
　　　「銀行弾圧期｣に完成した金融ネットワークは世界　　
　　で最も確実で安定した最先端の情報網です．
　　（一般のネットワークは，危険なウィルスと悪質な
　　ハッカーが跋扈していますが，日本の金融ネットは
　　完璧なまでに安全です)．
　　この世界最先端のネットワークの内部に，これまた
　　世界最先端の金融情報が蓄積されています．
　　　この知識集約産業としての銀行業に，マーケット
　　は，まだ評価を下していません．
　　　つまり，日本の銀行は安いままに放置されている
　　のです．
　　　三井住友銀行の時価総額は，わずか８兆４千億で
　　す．東北最大の地銀，七十七銀行などは２９００億
　　です．三角合併の解禁とともに，外資は日本の銀行
　　を支配しようと必死の攻勢をかけるでしょう．
　　　この時，日本の銀行株は再度の暴騰を開始します．
　　
　　　なにしろ１６００兆円という膨大な国民金融資産
　　の７０％強は，日本の銀行に預けられています．
　　　いまや日本の銀行は，知識集約＋国民資産集約
　　という２点において世界一なのです．
　　　このことが市場で評価されるとき，東京マーケット　　
 　　は，盆と正月が一緒にやって来たような騒ぎになる
　　でしょう(笑)

　　　　　　(2007/03/28)　済州島蓮洞にて　飯山一郎