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記事入力 : 2010/05/05 09:40:08

金総書記訪中:韓国政府が中国政府に抗議
3日の金総書記訪中後、駐韓中国大使を呼んで抗議

 韓国政府が4日、哨戒艦「天安」の沈没が北朝鮮の仕業である可能性が大きい状況で、李明博(イ・ミョンバク)大統領の訪中(先月30日-今月1日)直後に金正日(キム・ジョンイル)総書記を迎え入れた中国政府に対し、懸念と抗議のメッセージを重ねて伝えたことが分かった。

 韓国政府の関係者が語ったところによると、韓国政府はまず、先月30日に行われた李大統領と胡錦濤国家主席の首脳会談直後、金総書記が訪中する可能性を念頭に置き、天安の事故と関連し、中国に二つの点を明確にしたという。この関係者は、「韓国と米国は、天安沈没の原因に関する調査が終わるまで、6カ国協議を再開することは困難だという立場にあり、原因が明らかになった場合、国際的に断固とした措置を取らざるを得ない、という事実を説明し、中国政府に協力を求めた」と語った。韓国政府の別の関係者は、「当時、韓中首脳会談で、金総書記の訪中問題は直接話し合われず、首脳会談が終わった後、“天安事故の調査結果がまだ出ていない段階で、金総書記の訪中は望ましくない”という韓国政府の立場を、中国側に対し外交チャンネル経由で伝えた」と語った。

 しかし韓国政府は、こうした懸念の表示にもかかわらず、金総書記が訪中したことを受け、中国政府に対し事実上の外交的抗議を行い、「責任ある役割」を要請した。シン・ガクス外交部第1次官は3日午後、張シン森駐韓中国大使を外交部庁舎に呼び、「天安事故は重大な事件だ。調査の結果により、断固とした措置を取る計画だ」と述べ、“先に天安事故、後に6カ国協議”という立場と共に、金総書記の訪中許可に対する不満の意を伝えた。シン次官は張大使に対し、中朝間で話し合われた内容を韓国政府に正確に伝えることも要請したものと思われる。張大使は、「韓国政府の立場を本国に伝える」と語った。

 玄仁沢(ヒョン・インテク)統一部長官も4日、張シン森大使と会談し、「韓国は天安の事故に直面しており、金剛山観光について、北朝鮮は極めて不合理かつ非理性的な態度を見せている。韓半島(朝鮮半島)情勢が極めて困難で、緊迫した状況に入っており、中国の責任ある役割が、これまで以上に求められる」と語った。韓国政府は、金総書記の訪中前には懸念を示していたが、訪中後には抗議の表明へと強度を高めたわけだ。

 こうした韓国政府の外交的措置は、胡主席が金総書記と、早ければ5日ごろ会談すると予想されている状況の下、6カ国協議の再開など、金総書記が持ち出す融和策やかく乱策に中国政府が同調することを防ぐための努力だ。韓国政府は、金総書記が帰国した後、外交当局者を中国に派遣し、天安沈没事故の調査結果を前もって説明し、中国が韓米の対応措置に歩調を合わせることを要請するという。しかし中国が、天安事故にもかかわらず、伝統的な親北政策と後見の役割を固守する場合、韓国政府が予告した「断固とした措置」は、外交的に力を失うことになるものとみられる。

朱庸中(チュ・ヨンジュン)記者

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
(記事入力 : 2010/05/05 09:40:08 朝鮮日報)
http://www.chosunonline.com/news/20100505000015
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